大阪府教育庁様コンサルティング事例
大阪府立学校ICTネットワークのクラウド化・ゼロトラスト化を支援
この事例のポイント!
大阪府立学校約200校のICTネットワークをクラウド化・ゼロトラスト化するにあたり、令和2年度の調査設計業務から令和7年度の再構築プロジェクト監理業務に至るまで、府教育庁様に対して技術面、業務面(教育分野)、経験・事例面、そして作業面での様々なご支援を提供しました。
令和8年9月に学習系ネットワークの再構築が完了する予定で、「ネットワーク回線・機器の統合化」「ネットワーク全体のクラウド化」「校務系ネットワークのゼロトラスト化」が実現します。
【お客様】
大阪府教育庁教育総務企画課スマートスクール推進グループ様
大阪府教育庁教育振興室支援教育課学事・教務グループ様
大阪府教育庁教育振興室高校改革課共生・魅力発信グループ様
【ネットワークの概要】
府立学校約200校(児童生徒数約12万人、教職員数約2万人)の端末約16万台が各業務システムやクラウド環境、インターネットサイトにつながる巨大ネットワーク。各校でローカルブレイクアウトのインターネット回線2本と、クラウドに直接つながる閉域網が敷設されている。
2. 導入前の「リアルな」困りごと
令和元年当時はまだ端末を使った授業と言えばコンピュータ教室での情報科の授業が中心で、教職員が利用する校務系ネットワークと、児童生徒も利用する学習系ネットワークが完全に分離した環境でした。また、データセンターや学校内にサーバを設置して個別のシステムを構築するという従来のオンプレミス型ネットワークになっていました。そういった状況から新しいネットワークに再構築するにあたって、府教育庁様は以下のような課題認識をお持ちでした。
①ネットワークを含めたICT関連経費の高騰
②セキュリティ対策の強化(文部科学省教育情報セキュリティポリシーガイドラインへの対応含む)
③教員の働き方改革(業務効率化)
④GIGAスクール構想への対応と情報教育の推進
⑤クラウド化・ゼロトラスト化・サービス化等資産を持たない身軽な構成への移行
⑥急激な技術革新に対応可能な拡張性の確保 等
しかしながら、日々の行政実務の中で、国からの通知、他自治体の事例、最新の技術動向、ベンダーから提案情報等の膨大な情報を隅々まで精査し、新しいネットワークの絵姿を検討することは非常に困難な状況でした。
【支援内容】
令和2年度の学習系ネットワークの調査設計から始まり、学習系・校務系それぞれの基本設計、調達支援、導入支援(プロジェクト監理)を経て、令和8年度現在継続中の「学習系ネットワーク再構築プロジェクト監理」、「教育ICTアドバイザー」まで、約7年にわたり技術面・管理面の両輪で支援してきました。また、その間も「Googleのサービスを利用した学習管理」、「府立高校の魅力発信(ホームページ・SNS等)」等、新しい教育DXの取り組みに関する検討も支援してきました。
【当社の支援による変化】
「発注者、コンサル、ベンダー」の三者が、高い技術水準で対等に議論できる体制が確立されました。特に、府教育庁様が描く理想(グランドデザイン)を、ベンダーが実装可能なレベルの「緻密な仕様」へ落とし込み、各工程での品質を徹底して担保したことで、その時点での最適なネットワーク・システムの構築が実現しました。
また、経費の妥当性精査や各ベンダーとの情報交換を綿密に行うことで、適正価格での調達が実現できました。
【特に意識したこと】
当社が作成するお客様向け資料は、単なる文書ではなく、お客様の「意思決定の解像度を高める資料」となることを目指しました。多忙を極める担当者様が、内部承認や他部署との調整を円滑に進められるよう、膨大な技術的論点を「何がリスクで、何がメリットか」という平易かつ論理的な比較資料にまとめることを意識していました。また、プロジェクトをとりまく環境の急変時にも即座に影響分析や提言を行うことで、「常に一歩先を見通すパートナー」としての信頼を得ることを目標にしました。
特に、当社の最大の目標はお客様の利益(≒プロジェクトの成功)ですので、ベンダーに無理を強いるのではなく、客観的に見て最良となる道に進めるよう、時にはお客様にとって耳の痛い話もできるような信頼関係を築くことができたらと意識しながら、業務を進めていました。
令和2年度の学習系のクラウド化の検討のプロポーザルに参加いただき、その後、令和3年度の学習系のクラウド化、令和6年度の校務系のクラウド化、ゼロトラスト化、令和8年度の学習系の更新にそれぞれ監理業務として、また、上記契約以外でもICTの課題のアドバイザーとして携わっていただきました。
府立学校の環境を理解いただいた上で、課題に対してもアドバイス、伴走いただき、また、監理業務については、事業が効率的に進むよう、契約の受注者含め、アドバイスをいただき、結果として無事プロジェクトを終えることができたと思います。
特に成果を感じている点としましては、府教育庁の職員と各企業の担当者との意思疎通の円滑化を図っていただけた点です。業種が異なるため、どうしても双方からうまく伝えているつもりが伝わっていない部分があり、それらを理解され、分かりやすく表現したり、資料にまとめていただいたところです。
府教育庁様は、当社が令和2年4月に創業後、翌5月に契約いただいた押しも押されぬファースト顧客です。
当時は、現在もパートナーとして一緒に府教育庁様をご支援しているOfficeYAMASHITA株式会社様と共同でプロポーザルに参加しましたが、創業して間もない、全く実績のない会社の提案も、しっかり内容面を評価いただきました。
担当の職員様や指導主事の先生方は皆さま非常にICTに関する見識が深く、私たちにとっても常に最高水準の専門性が求められる「真剣勝負」の場でした。特に、学校現場の制約と最新のITトレンドをどう着地させるかという調整は困難を極めましたが、議論を尽くして導き出した答えが、実際に生徒たちの学びや先生方の働き方を支えているのを目の当たりにすると、これまでの苦労が報われたと感じます。
これからも「業務委託先」という立場を超えて、大阪の教育の未来を共創する「パートナー」として信頼いただけることを目指し、精進してまいります。

月次定例会議の一コマ
(令和8年3月)